教室用新ギター教本(青本)解説

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「教室用新ギター教本」(青本)解説NUEVA EDICIÓN ESCUELA DE LA GUITARRA Explanation

練習33 Andante F. Carulli

出典1

Carulli, Ferdinando. Méthode complette pour guitarre composée expressement pour l'enseignement de son fils Gustave par Ferdinando Carulli Op.27. Paris, Launer, n.d. (1829?), p.20. (Quatrième Edition)
F. カルリ「フェルディナンド・カルリによって彼の息子グスタボ教育のためことさらに作曲されたギターのための完全な教則本」(第4版)

初版は1810年か1811年くらい(※1)と言われています。グスタボは1801年生まれですので初版の時は10歳くらいです。グスタボも音楽家となります。

出典2

Carulli, Ferdinando. Méthode complete pour parvenir à pincer la guitare, par les moyens les plus simples et les plus faciles, suivie de 44 morceaux graduellement progressifs & six etudes, Dédiée à messieurs les professeurs & amateurs de cet instrument Op.241. Paris, Launer, Ed.6, n.d.(ca.1825), p.29-30.
F. カルリ「最もシンプルかつ簡単な方法でギターが弾けるようになるための完全な教則本 漸進的に進む44の曲と6つのエチュードに沿って この楽器の専門家と愛好家の皆さんに捧げます」

教則本Op.27(出典1)での指示

カルリの教則本Op.27ではこの曲が終わった後に、Voyez le Suplément à la page 16.(補足の16ページを見てください)と書いてあります。補足とは「教則本またはギター練習曲1年目の補足 教則本を含むすべての続きで作った初歩的な作品 解説付き」(※2)という曲集のことです。
この曲集の16ページにはAprès la gamme, l'exercice, et le morceau en LA minueur à la page 20 de la méthode(音階、練習、教則本20ページのイ短調の曲の後で)と書いてあり、文章に続いて曲(Moderato)を載せています。この曲(Moderato)は青本P56-57の練習67のことです。

カルリの教則本と青本の違い

1、Op.241では低音を別の声部として書かれていますが、Op.27では低音を別の声部として書かれていません。
2、後半の中間部に出てくる「ファ♯-ソ-ファ♯-ソ」の部分を青本では一つの声部で書いていますが、低音をOp.27では8分音符の2声、Op.241では4分音符の2声で書かれています。
3、7小節、23小節の低音は、Op.241では2分音符で書かれています。Op.241の23小節1拍目の低音レが抜けているのはミスで、ここにも2分音符のレが入ると思います。
4、青本では後半の部分を、4分音符の上声部と8分音符の低音に分けた2声で書いていますが、Op.241では8分音符の上声部と4分音符の低音の2声で書いてあります。しかし、上声部は拍の頭の高い方を4分音符で独立させ、低い方と拍の裏を8分音符の内声と分けてとらえることもできます。
5、右手の運指はOp.241、Op.27ともほとんど書かれていません。
6、青本には消音の練習の指示がありますが、Op.241、Op.27には特に記載がありません。

6つの違いについての考察

1、低音を青本やOp.241のように別の声部としてとらえ、弾き分けるとよいと思います。低音は右手のpで強めに弾くとよいです。
2、「ファ♯-ソ-ファ♯-ソ」の部分も2声にとらえ、Op.241のように4分音符の低音を右手のpで強めに弾くとよいでしょう。
3、7小節、23小節の低音は、Op.241で書かれたとおり2分音符(23小節の1拍目の低音レを補い)で、弾いてよいと思います。
4、Op.241、Op.27とも8分音符の続く上声部ですが、青本のようにメロディーを拍頭の4分音符で独立させ、4分音符のメロディー・8分音符の内声・符尾が下向きの低音、の3声にとらえて練習すると効果的だと思います。メロディーは強めで、アポヤンドでもよいです。内声は弱めでアルアイレ、低音は右手のpで強めに弾くと3声に弾き分けられます。
5、青本に書かれている運指でよいと思います。冒頭の不完全小節や2小節目のレに4の運指がついている箇所は、3でも構いません。
6、青本に書かれているように消音の練習をすることは大切だと思います。消音はいくつか方法がありますが、初心者の場合は右手で弾いた現に軽く乗せることで消音するとよいです。消音のタイミングが音符の長さと同じになるタイミングで指を乗せてください。

注釈

※1 「Ferdinando Carulli」(2022年1月20日08:47 UTCの版)『ウィキペディアフランス語版』では1810年。https://fr.wikipedia.org/wiki/Ferdinando_Carulli
Méthode complète, Op.27 (Carulli, Ferdinando) 『IMSLP』では1811?年。https://imslp.org/wiki/M%C3%A9thode_compl%C3%A8te%2C_Op.27_(Carulli%2C_Ferdinando)
※2 Carulli, Ferdinando. Supplément à la Méthode ou la première Année d'Etude de Guitare, Ouvrage élémentaire qui fait suite à tout ce que contient la Méthode, avec les explicatious Op. 192. Paris, Carli.

オリジナル楽譜(浄書)

Op.27にD.C.が書かれていませんでしたが、曲の終わりにはD.Cがあると思ってください。

F. カルリ 「フェルディナンド・カルリによって彼の息子グスタボ教育のためことさらに作曲されたギターのための完全な教則本」(第4版)20ページ

F. カルリ 「最もシンプルかつ簡単な方法でギターが弾けるようになるための完全な教則本 漸進的に進む44の曲と6つのエチュードに沿って この楽器の専門家と愛好家の皆さんに捧げます」29-30ページ

   
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