J.S. バッハ「インヴェンション第1番」解説と当時の演奏法
ギターアレンジと装飾音を中心にInvention 1
アナリーゼ
インヴェンション第1番は3つの部分(1~6、7~14、15~22小節)からなり、それぞれにカデンツ(終止形)があります。AとBの動機、Aの中にある2つの要素(a1、a2)が反行や拡大も伴い模倣され展開しています。
調性を見てみると主調(ハ長調)で始まり、最初のカデンツは属調(ト長調)、次のカデンツは並行調(イ短調)、そして最後に主調(ハ長調)に戻り終わっています。途中で何度も転調し、属調、並行調の他に、下属調(ヘ長調)や下属調の並行調(ニ短調)へも転調しています。
また、上声部の3小節2番目の音(ラ)から4小節3番目の(ド)までと、19小節2番目の音(ド)から20小節3番目の(ラ)までは逆行(レトログラード)になっています。21小節の後半では、上声部をB(ド-シ-ド)とa2反行(ミ-レ-ファ-ミ)の2つの声部にみなせると思います。詳細は楽譜を参照ください。


